エミリー・キャサリン 青い目の人形
「エミリー・キャサリン」という名のお人形が佐喜浜小学校にいます。
それは、「青い目の人形」のうちの一人です。青い目の人形とは、今から約90年前のひな祭りに、アメリカから日本の子供たちに、贈られたものです。日本との親善活動のため、「世界の平和を子どもたちからといった趣旨のもと、贈られたようです。
青い目の人形は、日本全国で、その数なんと、1万2千体以上、高知県には187体も贈られたようです。
ところがその後、アメリカとの関係は悪くなり、アメリカは戦争の敵国となってしまいました。そのため、ほとんどの人形が敵国人形として、処分されてしまいました。
そして、高知県では、唯一、佐喜浜小学校の「エミリー・キャサリン」だけが残りました。そして今も、大切にされています。
もしかしたら、アメリカの日本との仲をよくするための道具だったのかもしれません。でも、アメリカが敵国になっても、人形の無実さを主張し、人形を隠し、守ってきた人々がいるということ。そして、長い間、人目のつかない暗所に置かれていたかもしれないが、それが、時を超え、今、子どもたちの生活の場である小学校で、大切にされているということ。その人形が、様々な背景を持ち、時を繋いでいることなどを考えると、なんだか、胸が打たれます。
(書いた人:T少年)