失われゆく風景~佐喜浜旧橋を想って〜
皆さんこんにちは!😊
突然ですが、皆さんには「心に残っている思い出の風景」があるでしょうか?
生まれ育った場所の、懐かしいあの景色。
心に浮かべるだけで、何だかあったかくてちょっぴり切ない気持ちになりますよね😌
佐喜浜の人達にとって、そんな景色の1つが佐喜浜旧橋の風景です。
これが旧橋。
港と中心街がある「浦地区」と、八幡宮神社のある「根丸地区」をつなぐ、全長140メートルの橋です。
この橋の上から見える風景がこちら。
とっても綺麗ですよね!
実は、私が佐喜浜に惚れた瞬間は、この橋の上にいた時なのです。
夏のある日、
空と海と川、すべてが眩しいくらい真っ青に溶けてひとつになり、
一瞬だけ暑さをかき消す風を運んで来た時―。
私は、この町のことがとても好きになりました。
よそ者の私ですら虜にしてしまう魅力があるのですから、毎日この橋を利用していた佐喜浜の人達にとって、この橋への愛着は並々ならぬものがあると思います。
ところが!!
今この橋に、大変な危機が訪れているのです。
老朽化に伴う全面通行止め。
莫大な修繕費用がかかるため、通行再開のめどは立っていません。
佐喜浜の人達にこのことについての影響を聞いてみると、色々な問題が見えてきました。
例えば、
・根丸地区のお年寄りが、スーパーのある浦地区まで行くのが非常に大変になった(買い物難民)
・伝統ある八幡宮大祭において、おふね(神輿)が神社に奉納されるまでの通り道になっているのにも関わらず、通ることができなくなった・・・今年は代替として、軽トラに載せて国道を使い運んだそうですが、伝統がゆがむことにかなりの反対意見があったとのこと
・地域で開催されるイベントに回り道しないと行けなくなり、客足が遠のいている
・ランニングや神社参拝、風景を眺める、子供たちの通学路など、佐喜浜の多くの住民にとって生活の大事な一部であったものが失われてしまった
といったことです。
たかが橋一つと思うかもしれませんが、この橋と佐喜浜の人たちとの物語は昭和初期から紡がれてきました。佐喜浜の人たちにとって旧橋は、利便性以上に文化や思い出が詰まっているという意味でも大切な存在なのです。
佐喜浜にお邪魔していると、過疎化が進む地域の抱えるこうした問題にも直面することがあり、地方の将来について考えさせられます。。
コンパクトシティ構想は合理的で一理あるとは思いつつ、やはり割り切れない想いがある―…その中でこれからの地域はどうなっていくべきか?私たちはどうするのか?
もし佐喜浜に来られた際は、ちょっとだけ、そんなことも考えてみてください。
…なんて、今回のお話は少し重くなってしまいましたが、とりあえず最後に一言叫びたい私の想いは、
「あの橋の上に立ち、もう一度あの潮風を感じたい!」
それに尽きます(笑)。
どうか、その日がまた来ますように。
(書いた人・ちみ)